お茵(しとね)

先日、2月3日(日)~4日(月)に毎年恒例となった神奈川畳技術講習会に参加してまいりました。
今年の課題は、茵(しとね)の製作です。

     

茵とは、畳の上に敷く真綿入りの座具で高貴な方が座る、今でいう身分を象徴する座布団のような物です。
・・・製作者の私は座る事は出来ません(苦笑)
四方を錦(にしき)で囲った正方形の敷物で、平安時代には使われており、縁は位階により異なり、五位以上は黄絹、六位以下は紺布などとなっていました。

講習会開始です。

   

          講師はもちろん、板垣畳店、板垣昭雄先生です。

まずは寸法の確認。
大きさは約2尺7寸です。
寸法に合わせ、台作り。
ゴザを5枚重ね縫い合わせ、障子紙(和紙)を貼ります。

   

   

障子紙が乾くまで額縁 ( 私が使用したのは大和錦赤 ) の確認。

   

   

       

                大和錦の紋合わせ
※今回も時間の都合上、角を合わせてから仮縫いをし、ミシンで割り縫いの略式作業形態を取りました

障子紙が乾いた所で寸法に合わせ、ゴザを落とし下地の完成です。

   

     周りはゴザがばらけ無いように養生テープを貼っています

   

続いて下地に寸法に合わせた線を描き、綿を二重三重に敷きます。
そこに鏡 ( 座る部分の白い錦 ) を置き、糸を張って柄を確認しながら鏡を張り仮止めし、
シワ無くきちんと張れたら鏡の布地を本縫いし縫い留めます。

   

※途中経過の写真は時間に追われ、作業に夢中で撮り忘れました

ここで1日目の作業が終了。
夜は毎年一緒に参加している東京の柳井さん、神奈川の砂川さん、板垣さん(私と同い年の息子さん)と4人で居酒屋さんで畳談議 

 でございました。
翌朝疲れのせい?か、ちょっとお酒が残りました

さて2日目の作業開始です。
まずは額縁の平刺しから。

   

縁幅は3寸、綿を入れる分だけ寸法を考慮し平刺しをします。
※普通、下紙には和紙を使うのですが、今回は音鳴き防止の為、不織布を使い、その下に黒紙を使用しました

   

平刺しが終わったら、鏡の部分が汚れないように養生し、裏の布張りです。
裏に返し、朱布を引き(張り)ながら仮止めをし、シワが無くなったら本縫いで布を縫い留めます。
ここでまた表に返し、額縁(大和錦)の内側(黒紙の上)に綿を敷き、ムラにならないよう調整しながら縁を返し額縁を仮止め。

※時間に追われ、途中経過の写真がございません

裏に返し、裏の縁の始末です。
縁幅は1寸5分。

    

紋を合わせながら角を作り、曲がり針にて絎けて行きます。
全て縫い終えたらお茵の完成です! 

それでは私の作品をお披露目です 

   

             お茵、大和錦(赤)仕様
   

   

                  紋の造作
   

                   裏面
      

                 裏角の造作             

今回もおかげ様で良い勉強になりました。
神奈川県青年部の皆様、講師の親方々、本当にお世話になりました。
時間に追われ所々の写真が無く、ちょっと後悔はありますが私の頭と手が覚えております。
限られた時間でしたが無事作品を作り終える事が出来、ホッとしました。
そんな神奈川畳技術講習会でございました。

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