畳屋にとっての困ったこと

梅雨真っ只中ですね。
天気も毎日変わり、仕事の段取りもままなりません。

畳にとって1年で1番気を付けなければならない時期がやってきました。
そうです、これからカビの害が発生する時期になってくるのです。

最近から1年未満までの畳替え(新畳、表替え)の場合、イ草が呼吸をし、湿気を多く吸い取ります。
またイ草自体も養分を蓄えておりますのでその養分と水分を栄養とし、カビが繁殖します。
2階の和室にカビの害があまり聞かれないのは湿気を含んだ空気は重いため、1階に溜まる特性を持つ為です。
また畳はお部屋の1番下に敷いてある敷物ですから、それらの溜まった湿気を吸い取ります。
ですので1階の畳にカビが発生してしまうのです。

今の時期よりも梅雨明けから8月後半までがカビのピークになります。
毎日蒸し暑い状態(気温25℃以上、湿度60%以上)が続き、手入れをしなければ必ずカビは繁殖していきます。
逆に言えばお部屋の除湿をする、クーラーなどで室温を下げる、最低でも1日1回は聡恚@を鰍ッる等をすればカビの心配はありません。

そして高温多湿でなければカビが生える事はないのです。

新しい畳にはカビが生えないと思っているお客様も中にいらっしゃいますが、新しいものほどカビは生えてしまいます。
またカビの害を私たち畳屋に見てもらおうと、カビが生えても放置して電話を鰍ッてくるお客様もいらっしゃいますが、酷くなる前になるべく早く聡恚@を鰍ッ、カビを取り除いてください。
放置してしまえばどうなるか、私たち畳屋は見なくても良く分かるのですから。

また1年以上経過してしまえばその畳にカビが繁殖する事は大抵ありません。
毎年カビが繁殖してしまうなどの場合、何かしら必ず原因があると思われます。

日頃から畳の手入れをし、気持ち良く和室を使って頂きたいものです!

また、ここ最近畳屋にとって困った事が。
それは副資材の値上げの通達です。

逢着糸の値段がまた上がりますね(泣)
先々週、問屋さんから各メーカーが逢着糸の1割を値上げするなんて言うので、多少買い溜めしなくてはと思っておりました。
結局は1ケース千円程度だろうという事になったみたいですがそれでも困りますよね。
昨年は使用していた逢着糸メーカーがマイナーチェンジをし、品質を落として値を上げたという泣きたくなるような事をしました。
仕方なくメーカーを変え、1番値段の高いものを使用していますが、ここに来てまた値上げ、本当に困りものです。

畳表の生産農家の廃業、畳縁の廃盤や廃業も最近良く聞かれ、今年初めには毎日使っている切り糸(手仕事で畳を縫う糸)まで製造中止の知らせ(怒)
これには本当に困りました・・・もちろん結構な数を買い溜めしましたが・・・。

それだけ切り糸を使う畳屋がいなくなってしまったということです。
ムラをとらない、隙間を直さない(縫うことをしない)角を縫うことも無い、針を持つ事がなければ当然切り糸を使う必要もありません。
これは本当に悲しい現実です(涙)本当に情けない事です(涙)

この先、まだ色々なものが失われていくでしょう。
それが早いか遅いかは別として、この業界に携わる私たちにそれは本当に脅威です。
自分の子供達に未来のある業界として残してあげたい気持ち。
色々衰退している現実・・・・・一体どうすれば良いのでしょう?

最低限、この業界に携わるものが畳や畳職人というものの根本を見つめ直さなくては
明るい未来は無いような気がします。

暗い話しばかりですみません。

話題を変えて・・・。
昨夜、工場のサボテンが花を咲かせました!

      

  

  

今年は1鉢6コの花がいっぺんに咲きました!
9年前末娘が生まれた年には19の花がいっぺんに咲いたサボテンです。
それ以来そこまで数を咲かせる事はありませんが今年も無事咲かせてくれたのでした。

早いものでもう夏至も過ぎこれから夏に向かいます。
嫌なこの梅雨を乗り切り、夏商戦を頑張りましょう!

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